色褪せぬ思い出

色褪せぬ思い出

⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎

700年前


今における静岡県熱海市における場所

雨のふる夜のことだった

そこで少年が呪霊に襲われていた

少年は泥だらけで必死に逃げいていたことが窺える

しかし、逃げた先は崖

逃げ場を失ってしまい絶体絶命かと思いきや

そこに白い閃光が走る

呪霊は切断され、息絶えていた

その白い閃光を起こした者が振り返り少年に問う


「大丈夫か?怪我はないか?」

その問いを投げかけて来たのは1人の男

ここら一帯の守護者

名は武田信治郎と云う

「は、い 信治郎様のお陰でどこにも怪我はございません…」

少年は恐れていた

少年には信治郎が村を守護する理由が分からなかった

故に恐れていた。

「少年、名は?」

信治郎は少年に名を問う

「喜笑と、申します…」

恐れる喜笑に信治郎は云う

「そう恐れるな、別に取って食ったりはしないぜ?」

信治郎は人の良い笑みを浮かべ

喜笑を持ち上げた

「では、帰るぞ貴様の家に!」

その瞬間、2人は白い光に包まれた

その白い光は目にも止まらぬ速度で動き、数秒後には村に辿り着いた

白い光が2人から離れ、村の女が近寄ってくる

「信治郎様!喜笑は!喜笑は無事なのですか!?」

どうやら喜笑の母だったようだ

「心配せずとも、彼ならそこにいるだろう?」

そう言うと信治郎は抱き上げていた喜笑を喜笑の母に差し出す

喜笑の母は喜笑を目にした悲しみの表情から瞬間に鬼の風貌を感じる怒りの表情に様変わりし怒鳴った

「アンタ何考えてるの!?

いつも夜には家の外に出るなって言ってるのに何で外に出たのよ!!

本当に心配したんだからね!!」

喜笑は母の怒りに対して反省しているようだ

その後もしばらく叱りは続いた

「さて、反省したかい!喜笑!」

「ハイ」

「声が小さい!!」

「ハイっ!!」


それを見ていた信治郎は喜笑の母を良い親だと思っていた



700年後


「さて、あの種はいつ芽吹くのだろうかね?」

少年は腕を失いながら呪詛師と戦う少年を期待を宿した目で見ていた

「俺を、失望させないでくれよ?」

Report Page